友禅小物から作家作品きものまで揃う、加賀友禅の店「ゑり華」

芸妓さんが発表会

2007/6/24
店主の独り言

 にしの「むすび会」というおはやしの勉強会があります。今日はその発表会。市内のホテルで行われ、私も顔を出しました。
 金沢のお茶屋さんでは、芸者さんとは呼ばせません。芸妓さんは踊りとお囃子が出来て一人前。「単に鬘かぶってお酌しているだけとは訳が違うのよ」とまず私も教えられました。
 日頃のお稽古の成果をお客さんに見てもらおうと、平成に入ってから会を重ねて今年で19回。来年は節目の20回ということで盛大に行われるそうです。会場には沢山の方がおいでになって、ホテルの方が急きょ椅子を増やしていました。オープニングは新人から。昨年デビューしたゆめ吉さんが初舞台を踏みました。緊張しているのが傍目にも分かりましたが、最後までしっかり勤めました。たいしたものです。
 次第が進むにつれて、ベテランのお姉さん方も出てきて、聴かせてくれました。とくに仁美さんは地方(じかた)としてとても成長されたなあと思いました。
 駒珠さんの唄、峯さんの笛、八重治さんの三味線、乃莉さんの小鼓、幸代さんの大皮などなどいづれも素晴らしい演奏でした。長い年月積み重ねてきた修練の賜物なんでしょうね。
 金沢の宝であることにはまちがいありません。

素敵なお花を頂きました。


店主の独り言

 本日、6月24日はわが社の設立記念日です。律儀にお祝いのお花を毎年贈ってくださる方が居て、思い出しています。そんなことではいけないと思いながら、「そうやった、今日が会社の誕生日なんだ。」と毎年のつぶやいています。
 お店としては、創業年しかいまのところ分かっていません。決算を7月20日に控えて、今決算市の準備中ですが、こうして決算を迎えられることが有難いことだとつくづく思うのです。皆様に感謝です。ありがとうございます。
 ちなみに、背景は加賀染織工芸サロンの今月の本店展示「時代銘仙きもの」です。郷愁を誘うポップな着物と副題を付けました。

今日は父の日、加賀の和柄ネクタイを贈ろう

2007/6/17
商品情報


華くらぶ 宝尽しネクタイ

 「お父さん毎日ご苦労様です。」
 娘さんがこんな声を掛けてくれたら・・・

 誰も言ってくれないので自分で云ってます。そんな寂しいお父さんもいらっしゃるかもしれませんが、そんな方でも「ツキまくる!」すごいネクタイを当店ではオリジナル制作しています。名づけて「華くらぶ 宝尽くしネクタイ」。
デザインの元はお馴染み当店会長のコレクションから取っています。実は加賀のれん(外のれん)の市松取り宝尽し文様から引用しています。筒描きの糊の味がなんとも云えないおしゃれさを醸し出しています。
生地はもちろん絹100%、織は京都・西陣で織っています。図柄ワンパターンですが、釜数で2通り。色数はなんと30色を超えています。季節に応じて微妙に変えたり、新色を追加したりと、累計製作本数は2000本を超えています。プロ野球のヒット数なら名球会入りです。
それだけ飽きのこないデザインということなのですね。白っぽい色は婚礼に使えます。お一人で何色も持たれている方もいらっしゃいます。何にももらえなかったお父さん、是非ご自分のご褒美に1本いかがですか?

 余談ですが、何故かこのネクタイを求められた方は、宝くじを買いにいかれます。縁起を担いでいるのでしょうかね。大当たりのご報告はありませんが、いいことあったよ(いい子と逢ったよ?)というお話はいくつか聴いております。そんなラッキータイなのです。

 
花岡慎一著「加賀のお国染 のれん」より

「宝尽しネクタイ」を求める

野口さんの長板染め浴衣がやっと入りました。

2007/6/16
商品情報

 八王子にお邪魔したのが、去年の11月でした。八王子にお茶屋さんがあることにもビックリ(失礼!)しましたが、そのお座敷で金沢の門外不出の「お座敷太鼓」が披露されたことに、もっとビックリ!ちゃんと金沢のあるお茶屋さんから習ったとか。なかなかのものでした。翌日、時間があるのなら行って見なさいと薦められたのが「長板染の染屋さん」でした。
 元々織物の産地ですから機屋さんがあるのは理解できますが、藍染めの染屋さんが八王子にあるとは全く考えられませんでした。さっそく一人でお邪魔しました。
 表からは染物をしているようには全然見えない、普通のお宅の奥へ入ると、藍瓶がたくさん並んでいます。そして中庭(張り場)を通って別棟に板場がありました。金沢の加賀伝統小紋染めの坂口幸市さんとはこれまた全く違う「のり」「へら」「型送り」で長板は型付けされていました。聞けばほとんど独学で修得したものだそうで、ご苦労の程が伺えます。もともと藍染め専門で別の職人さんが型付けの仕事をしていて八王子の同じ仕事場でするようになったとか。ところが型付けをしていた職人さんがいなくなって、その型付けも自分でしなければならなくなって、独学で始めたという訳なのです。大変珍しい方です。
 その型の細かいこと!これを両面合せて型を付け、藍染めの瓶に何回もつける。一人で出来る量はしれていますね。ですから、野口さんの長板は大変貴重です。ここで染めるものは全て竺仙(ちくせん)さんに納めるものだそうで、見れば「竺仙専用工場」という看板が掛かっていました。
 今年になって東京・日本橋の竺仙さんにお邪魔して、何とか廻して欲しいとお願いしました。そのときも野口さんの長板は1反もありませんでした。そしてようやく今月になって入荷したのがこの4反なのです。実は5反仕入れたのですが、1反は写真を撮る前にお客様がお求めになってしまいました。徳島の佐藤さんの藍の匂いがします。やっぱり手づくりの良さですね。思わずうっとりの店主でした。

実家の紋を入れる理由(わけ)

2007/6/12
店主の独り言

 お嫁入りした女性がつくる着物には、嫁ぎ先の紋をいれるのが金沢の習慣です。日本の地域によっては、女紋、女系紋を入れます。御紋は自分の所属をしめすものですから、紋が入っているものの所属も示すことになるわけです。最近では少なくなりましたが、結納の時に、お婿さん側はお嫁さんになる方に黒留袖(紋付)を贈ります。五つ紋という最も格の高い式服に自分の紋を入れることで、この家の人になるという意味があるのですね。万が一お別れになるということになっても、どちらの所有物かは、この紋で分かるというものです。昔のひとはよく考えましたね。
 ここからが、あるお客様から聞いたお話。
 結婚してウン十年、いまだにご実家の紋を入れて、お着物を誂(あつら)える方がいらっしゃるとか。聴けばお姑さんや旦那さんの目を気にしてとのこと。 「実家に置いてあるのを持ってきたがや。」と言うそうです。それでも疑う相手に対して、「ほら、実家の紋が入ってるでしょ。」と動かぬ証拠の紋を見せるのだそうです。現代の人もなかなか考えておられます。まさに「この紋所が目に入らぬか!」ですね。
 話しは変わりますが、「理由」と書いてワケと読ませる歌謡曲のタイトルがありましたよね。(古い話しかもしれませんが・・・)若女将の同級生が小学校の時、漢字のテストでこの「理由」を「わけ」と振り仮名を書いてペケ(不正解)になったそうです。本人はとても理不尽に思ったことでしょう。この字を見る度に店主はこの話しを思い出します。
 先生はなんとマセた子やと思ったのでしょうか?二重丸にしてみんなの前で発表するくらい楽しい先生だったら国語の授業も面白くなったのにと思う店主でした。

大宮華紋:女紋

加賀友禅 上田外茂治さんの工房で

2007/6/5
店主の独り言

 先日、東山のご自宅兼工房へお邪魔しました。上田さんは石川県無形文化財の指定を受けた作家さんです。奥様とお二人だけでお弟子さんはいらっしゃいません。
 今回、お邪魔したのはどうしても上田さんにお伝えしたいことがあったからです。伝統工芸展にも出品されている上田さんに注文をつけること自体恐れ多いことですが、私の話をしっかり受け止めてくださいました。その人柄が作品にも表れているのです。
 初期の作品は裾模様(黒留袖や色留袖)が多かったようですが、工芸展へ出品するようになってご自分の作風が変わったとおっしゃいます。発表される作品はいずれも力作です。手抜きの無い素晴らしい姿勢には感動です。
 1ヶ月に3枚がやっとのお仕事で、年に2回は公募展への作品づくりに費やされるため、年間の生産枚数はせいぜい30枚です。なんと貴重な作品を私たちは目にしていることかと思わずにいられませんでした。
 私がお伝えしたかったのはお客様の想いです。世間では200万円位の価格になっている大変高価な品物です。着られる女性の気持ちを考えるとこうはならないでしょう、ということがあります。些細なことかも知れませんが、着る人にとっては重要なことだと思うのです。 上田さんの工房を後にした私は緊張で汗びっしょりでした。ありがとうございました。
 
 
上田さん(左)と桜柄の図案の前で。
私がメインに写ってしまって申し訳ありません。撮影は新保さんでした。

加賀友禅の店 ゑり華